2018/02/01 最終更新日:2019/11/15

お金はなぜ生まれてきたのか?お金の歴史を探ります

スマホ決済、クレジットカード、QRコード決済、ビットコインなどの仮想通貨。

様々な形でキャッシュレス化が進み、現代では現金で物を買う事が徐々に減りつつあります。

しかし、お金とはそもそもどういうものなのでしょうか。

「お金」の歴史を紐解いてみましょう。

私たちにとってのお金

私たちにとってのお金は、毎日の生活を送るのに欠かせないものです。お金によって様々なものを手に入れ、様々な場面で支払いを行います。お金というものがなかったらどうやって生活が成り立っていくのか想像もつきません。


お金がある人とない人を比較すると、幸福度が違うことが分かっています。もちろんお金がある人の幸福度は高い傾向にあります。世の中にはお金で解決できることが、数多くありますしお金が無いよりあった方がいいに決まっているでしょう。
容姿や肩書と同じようにお金お持ちというだけで、女性にモテモテだったりしますし、世の中の犯罪の多くがお金が絡んでいます。それほどお金というのは魅力的なものなのです。

 

お金が登場する前の人々の暮らし

お金が登場する前の人々は、何かを購入する際などどうやっていたのでしょうか。かなりの大昔は物々交換をしていたようです。肉と魚を交換したり、米と布を交換したり、自分で作ったものと相手が作ったものを交換したりしていました。
こういった、物と物を交換する場所として市場が誕生しました。この物と物を交換するには問題がありました。100kgもあるお米などを交換しようと持ち込んだとします。これを市場まで持っていくのも大変ですし、交換が出来ない場合100kgのお米を持って帰らなければならず、とても大変です。
100kgの米が欲しい人がいたとしても、相手が持っている物が交換に値しないものの可能性があります。このように需要と供給が合わないと、とても大変なのが、物と物を交換するという事です。

 

貝の登場

物々交換における需要と供給問題や持っていく大変さを解決すべく、中国では子安貝が使われるようになります。先ほどの例でいいますと、100kgの米を市場に持ち込み、一旦貝と交換します。その貝と欲しいものがあるときに交換するという事です。
この方法であれば、大変な思いをして持ってきた100kgの米を持ち帰らなくてもいいですし、好きな時に好きなものと交換することが出来ます。これが現在のお金の原型ともいえるものです。しかし、貝を使用するのには問題がありました。貝は現在の硬貨などとは違い、すぐ割れてしまったり、壊れてしまいました。貝は流通させるのにはふさわしくなかったのです。
そこで登場したのが、金、銀、銅です。貝と違い壊れることもなく、持ち運びも容易なことから市場に流通できました。流通できたもう一つの理由に、金、銀、銅は素材そのものに価値があり信用があったという事もあります。仮に石ころが選ばれていたらどうでしょう。微妙ですよね。
そこらへんに落ちていますし、石ころを沢山持っていてもうれしくありません。こういった素材に価値があるという理由もあり、金、銀、銅が流通していったようです。

 

金・銀・銅にも問題発生

貝に変わり、信用もあり素材にも価値がある金、銀、銅ですが、始めは順調に流通していくと考えられていましたが、問題が発生します。金、銀、銅はとっても不便だったのです。どういう事かというと、金、銀、銅は分割することが出来ません。
分割することが出来ないという事は、お釣りなどがある場合非常に困るのです。現在でこそ、1円、5円、10円、50円、100円、500円、千円、二千円、五千円、一万円と細かく分かれていますが、この役割を金、銀、銅のみで行うことを考えたらとてもじゃないが不可能です。
それに、金、銀、銅は結構な重量があり、大量の金を持ち運ぶとなると、とても大変ですし、とても目立ってしまうため強盗などのリスクも考えなければいけませんでした。こういった問題を解決すべく誕生したのが、「両替商」です。この両替商は金、銀、銅を預かり「預かり証」というものを発行します。この「預かり証」を用いて様々な売買を行ったのです。
この預かり証の登場により、重い金などを頑張って運ぶ必要もなくなりましたし、金を大量に持っているという事実が他の人たちには分かり辛くなったため、強盗などの被害にあうリスクが低くなりました。「預かり証」を受けとった側も、その「預かり証」でそのまま別の売買に利用してもいいですし、金に変えても良かったようです。この「預かり証」が現在の紙幣の原型となりました。

 

お金とは信用と価値

お金の歴史を見ていくとそこには信用と価値があることが分かります。中国で使われていた子安貝はとても美しい貝で、重宝されていましたし、現在の硬貨の原型である金、銀、銅、も素材そのものに価値があり、それによって信用もありました。現在の紙幣の原型である「預かり証」も、金、銀、銅をしっかり保管し他の売買にも利用できるようにして信頼を作り上げました。
このように現在のお金に至るまで様々な経緯をたどっています。そして現在では、電子マネーやビットコインなどの登場によりキャッシュレス化の動きが活発化しています。このキャッシュレス化の成功のカギは、信用と価値をいかに浸透させるかではないでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。