2018/02/22 最終更新日:2019/11/13

仮想通貨と税制!!現在税法上仮想通貨はどういう扱いなのか

仮想通貨と法定通貨

仮想通貨とは暗号通貨とも言われますが、ビットコインをはじめとするインターネット上でやり取りされる、通貨の機能を持った電子データの事です。
この仮想通貨を用い商品を購入したり、サービスを受けることが出来ます。
現在全世界には1000以上の仮想通貨が存在すると言われており、その実態のすべてを把握している人など存在しないのではないでしょうか。


そのぐらい仮想通貨は存在しています。
しかし、この1000以上存在しているとされる仮想通貨全てに実態があるのかは疑問で、これまでも名前だけで資金を募り、集まった資金を持ち逃げしてしまう詐欺事件が頻発しています。
日本でも法体系の整備が追い付いていませんでしたが、現在は徐々に整いつつあります。海外特にアメリカなどでは、かなり前から高い注目を集めていました。
仮想通貨は実際には存在しないバーチャルなものなので、バーチャル上のお財布のような役割を果たす、「ウォレット」に入れて持ち歩きます。
仮想通貨はどの国にも影響を受けない性質の、世界共通の通貨ともいえる存在で、価値が変動しています。
もちろん国からの保障などありません。
仮想通貨に対し現在私たちが通常使用している通貨を、「法定通貨」といいます。
この法定通貨は中央銀行や国が管理を行い、価値が固定されているものです。
日本では日本銀行が発行しているもののみ法定通貨になります。

 

仮想通貨の定義と電子マネーとの違い

仮想通貨の定義を金融庁が発表しています。
それによると、下記の様になっているようです。
①不特定の物に対して、代金の支払い等に使用することが出来、法定通貨と相互に交換ができる。
②電子的に記録され、移転できる。
③法定通貨または法定通貨建ての資産ではない
電子マネーとの違いをはっきりさせておきましょう。
電子マネーとは、法定通貨の代わりにデータで決済ができる電子のお金の事を言います。
交通系の電子マネーや各企業が提供する電子マネー、銀行やカード会社が提供している物など、多岐にわたってかなりの数が存在します。
仮想通貨と混同する方が多いようですが、電子マネーはあくまで法定通貨の代わりであり価値も固定されています。

 

仮想通貨の法的定義

日本で仮想通貨が法的に定義されたのが2016年です。仮想通貨の代表格でもあるビットコインが登場し、初めての取引が行われたのが2010年5月ですので、日本はかなり遅れているといえます。
2016年に「改正資金決済法」が成立し、これにより仮想通貨交換業について法律で規制できるようになったのです。
この「改正資金決済法」が成立するまでの間日本では、法的に規制されない存在だったのです。
そしてこの「改正資金決済法」により日本政府は、仮想通貨は紙幣の機能を持つと認定しました。

 

仮想通貨の消費税は非課税に

「改正資金決済法」が成立するまでの仮想通貨はものという扱いでした。
しかしこの法律により紙幣として認定されたため、それまで掛かっていた消費税が非課税になりました。
しかし「改正資金決済法」でも、平成29年の税制改正においても仮想通貨に関わる所得税に関する内容には言及されていませんでした。
この時でもまだ、仮想通貨の税務上の扱いが決定されていなかったようです。
しかし、2017年9月に国税庁のタックスアンサーが掲載され、仮想通貨の使用で発生した利益には所得税が掛かるという事。
事業所得または雑所得に分類されるという事が記載されていました。
このタックスアンサーではビットコインの事しか書いてありませんでしたが、その他の仮想通貨も含めた仮想通貨全般の事のようです。
仮想通貨が雑所得に区分されるという事は、総合課税のため利益が大きければ大きいほど、税率は高くなります。
所得税なら、最高で45%もの税率が適用されるのです。
それに加え雑所得の場合、他の所得にある控除制度や損益通算、損失の繰り越しなどなく、利益が出たものそのものに税率がかけられるため、非常に多くの税金を納めなければいけなくなります。
しかしタックスアンサーは法令や通達ではないので、税法上確定したわけではありません。
まだ、仮想通貨の税法は確定しておらず、今後どういうものになっていくのか注視しなければいけません。

 

課税されるタイミング

タックスアンサーによると仮想通貨の使用で利益が発生したら、所得税が発生するとあります。
下記が考えられる仮想通貨の取引パターンです。

①円→仮想通貨
この場合、利益が発生しないので、確定申告などは不要です。

②仮想通貨→もの
この場合は、ものの時価で換算されるので、利益が発生する場合があります。

③仮想通貨→円
この場合も、利益が発生します。

④仮想通貨A→仮想通貨B
この場合も、交換した際の時価で換算され、差額が利益になります。
こういったパターンが考えられる仮想通貨ですが、現時点で税法が成立しないので税務署などの判断に委ねられることになるでしょう。
困ったときなどは、仮想通貨に詳しい税理士などに相談することをおすすめします。

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