2018/02/26 最終更新日:2018/02/23

私たちの年金はどうなってしまうのか?年金制度の未来は

年金制度に対する不安

少子高齢化が急速に進み、人口も減少し続けている状態にある中で、人々が将来の年金制度に不安を持つのは当然でしょう。
公的年金は社会全体で高齢者を支える、「世代間扶養」という仕組みをとっています。


年金制度自体が無くなってしまうのではないかという声も聞かれますが、国がつぶれてなくなってしまわない限り、形は変わるかもしれませんが、残り続けると言われています。
もし年金制度が無かったら私たちの生活はどうなるのでしょう?年金を受け取っている高齢者の中には、十分な貯蓄や資産などを有しており、それらを子供や孫たちに還元しているという方もいらっしゃいます。
そうやって還元できるのも、これまで加入し支払い続けた年金を受け取っている分の余裕があるためといえなくもありません。
こうした年金は「世代間扶養」ですが、年金が無く貯蓄や資産が無い高齢者を支えるためには、子供から親へ「私的扶養」を行い支えなければいけなくなります。

 

私的扶養から世代間扶養へ

日本が高度成長期を迎え、核家族化が進むにあたりそれまでのような私的扶養で親の生活を支えるのが困難になっていきました。
高度成長期前までは、三世代家族が中心で私的扶養が可能だったようです。
そうした社会の変化の中で、社会全体で高齢者を支えようと、私的扶養から世代間扶養へと移り変わっていったようです。
公的年金制度が存在しなければ、若い世代が自分たちの親が高齢になった際に、生活などを支えるために、いつまでも仕送りを行わなければいけなくなってしまいます。
そうなってしまうと若い世代は、自分たちの貯蓄などを行う余裕がなくなってしまいます。
今後ますます少子高齢化は進んでいくでしょう。
そして、年金保険料の増加や年金給付水準が抑制されていくと思われますが、昔のように「私的扶養」に戻すことは現実的ではないでしょう。

 

保険料を納めないとどうなるのか?

公的年金制度は、現役世代の人々が納める保険料で制度が成り立っています。
そして、保険料を納めた期間によって、将来の年金給付を受けられるような仕組みになっています。
しかし、若い人の中には年金制度自体に不安があり、自分たちは年金を受け取れるのだろうかという理由などから、保険料を納めない方が増えているようです。
現在自分で年金を納めなければならない国民年金第1号被保険者の内、約33%もの人が保険料を納めていません。
若い世代の人々は、働き始めたばかりで給料もそれほど高くない場合が多いので、定額の保険料を払い続けるのが困難な場合があります。
ただでさえ、今後の年金制度に不安があるのに、生活が苦しい中保険料を払いたくない気持ちも理解はできます。
政府も少しでも早くそういった国民の年金制度に対する不安を払しょくするような政策を打ち出せればいいのですが、なかなか抜本的な解決策は見いだせていないのが現状です。
だからといってこのまま保険料を納めない方が増え続けてしまったら、本当に年金制度は無くなってしまうかもしれません。
金額は少なくなってしまうかもしれませんが、それにより老後の生活の支えの一部になっています。
その一部が無くなり、全て「私的扶養」で高齢者を支えていかなくならなくなってしまったら、現在よりも高齢者も若い世代も生活は苦しくなってしまう可能性があります。
年金制度の役割と存在意義をしっかり理解し、制度を将来に渡り安全に維持していく努力を私たちもしていかなければいけません。

 

今後予測される年金制度

日本は世界的に見ても長寿大国です。
現在でも平均寿命は延び続けており、今後まだまだ伸びると予想されています。
医療の発達や健康への人々の意識の高まりなどが影響しています。
そうなってくると私たちのライフスタイルも見直さなければいけないでしょう。
定年の時期を伸ばし、70歳ぐらいまでバリバリ働ける社会になるかもしれません。
これは年金財政の厳しい国にとっても個人にとってもメリットがあり、国は年金の支払う期間が減りますし、個人も働く期間が長くなれば、その分老後の生活に備えることが出来ます。
そして今後は年金未納が許されなくなる可能性があります。
厚生年金は会社の給料から天引きされているため、未納は存在しません。
未納は国民年金のみ存在し厚生年金の方々はしっかり支払いを行っているのです。
厚生年金は未納が出来ない仕組みなので、そういった意味でも不公平感があり、制度の不備といえなくもない部分です。
今後は何らかの改正により、未納が許されなくなる可能性はあります。
そして財源がほんとに厳しくなってくれば、資産や所得の少ない高齢者のみ、年金を受け取れる制度になる可能性もあるでしょう。
資産があり、老後生活に何の不安もない方など、資産状況などに一定のラインを設け、年金を受け取る高齢者と年金を受け取らない高齢者に分かれる可能性も考えられています。いずれにしろ、現在の年金制度よりは悪くなるという予想ばかりで、良くなる可能性はあまり無いようです。
これでは人々の意識は変わっていきませんので、何とか政府には明るい希望が少しでも持てるような政策を期待したいものです。

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