2018/02/28 最終更新日:2018/02/27

日本とアメリカの不動産の違い!!アメリカは分業制

アメリカではブローカーorエージェント

日本で物件を購入または売却しようとする際、ほとんどの方は不動産会社に依頼しようと考えるはずです。
しかしアメリカでは必ずしもそうではなく、日本でいう不動産業者にあたるブローカーとそのブローカーと契約する社員にあたるエージェントは、明確に分かれています。


アメリカでは、事務所を持つことができるブローカーの資格と、不動産の営業をすることができるエージェント資格は分かれているようです。
アメリカのエージェントは全員州から許可を得ている有資格者のプロで、報酬に関しても成功報酬型であらゆる費用も自腹です。
会社から独立したプロのプレイヤーという位置づけのようです。
エージェントの多くは、成功報酬型でブローカーと契約をしています。
アメリカは、日本とは違い会社というより個人の力量に全て掛かっているという側面があり、腕の立つエージェントはブローカー間で引き抜きが行われています。なので、アメリカでは日本のような不動産会社に依頼するという意識はなく、エージェントの実績などを重視し会社ではなく、個人に依頼するという意識のようです。エージェントの成功報酬は、ブローカーとエージェントの力関係やエージェント個人の能力により決まるようです。ブローカーとエージェントで折半する場合もあれば、力関係により7:3などの場合もあるようです。アメリカの不動産業界は、実力がものをいう徹底された形になっています。

 

不動産取引も分業体制

アメリカでは不動産会社と営業が分かれている様に、アメリカの不動産取引は分業体制が整っているようです。
日本の不動産取引でもそれぞれの有資格者が分かれて仕事を行いますが、アメリカの方が利害関係などもなく、厳格に機能しているといった印象があります。
日本の不動産取引の場合、住宅の担保評価は金融機関などが独自評価をしていますが、アメリカでは州の許可を有する不動産鑑定士(アプレイザー)が、修繕履歴や設備などを加味し、類似の取引や再建築価格、収益還元法などを基に一つ一つ算定しているようです。
アメリカの仕組みの方が日本に比べ、合理的で効率的に業務を行えるようになっています。
そしてそれぞれの有資格者が客観的に判断を行うので、厳正で公平で安全な取引ができるシステムといえるでしょう。

 

不動産データベース「MLS」

アメリカには、「NAR」(全米リアルター協会)が管理する「MLS」という物件情報のデータベースがあり、日本のデータベースなどとは質も量も比べ物になりません。この「MLS」には、物件価格、物件の広さ、物件の写真や登記情報や修繕履歴に売買履歴、さらに災害リスクや税務情報など、日本に比べ豊富な情報が登録されています。アメリカはあらゆる情報をオープンにするマインドがあり、様々なデータがわかりやすく提供されています。一部「NAR」が所属するブローカーやエージェントしか閲覧できない情報もあるようですが、基本的にはあらゆる情報を行き届かせようとする環境があります。このMLSにはすべての物件情報が登録されます。以前は物件の囲い込みの様なことが行われていた様ですが、現在はその様な事はなくなりました。
原則ブローカーが知りえた物件情報は、24時間以内に「MLS」に登録しなければいけなくなっています。
非公開物件などを持つことは厳しく禁じられています。
これに違反すると、罰金や「MLS」の利用の禁止、ライセンスの停止が行われてしまうようです。

 

エージェントはアドバイザー

アメリカの不動産取引は不動産業者とお客さんが情報を共有します。
日本と違い物件情報は共有されているので、アドバイスや交渉などがメインになります。エージェントは買うに値する物件なのかどうか精査し、購入プロセスをフォローします。アメリカで不動産を購入者は仲介手数料を支払いません。
売主が仲介手数料全額をブローカーに支払います。
買主は仲介手数料を支払う必要がないため、エージェントとの間で個人間取引が起こりにくいという効果があり、安全な取引が主流です。

 

日本は売主責任が重い

アメリカは買主責任が重いのですが、日本は売主責任が重くなっています。
日本の場合、購入後には瑕疵担保責任があり、万が一の事が起こった場合売主が責任を追及されることがあります。
それに対し、アメリカは買主責任が重くなっていますが、契約後一定期間しっかりと調査が出来るようになっています。
このようにアメリカと日本の不動産取引の仕組みは大きく異なっています。
一概にどちらの仕組みが優れていて良いという事は言えないのですが、アメリカの安心で安全で客観的な取引を行うことができる環境とあらゆる情報をオープンにするマインドなど、見習うところは沢山あるのではないでしょうか。
日本の不動産業界も様々な問題点があるので、少しずつ改善していく事が期待されます。

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