2018/03/01 最終更新日:2019/11/13

資産形成に有効なファンドとはいったいどういう金融商品なのか?

ファンドとは?

ファンドのもともとの意味というのは、基金を集めるという意味です。
投資ファンドとは、投資家から資金を募り集まった資金で、ファンド独自の投資目的に合った投資を行い、そこで得られた収益を投資家に分配するシステムになっています。
投資信託に関しても、ファンドと呼ぶことがあります。
公募によって資金を募り運用を行うものになります。


投資家は販売会社を通じてファンドを購入することになりますが、実際の運用や管理を販売会社が行うわけではありません。
販売会社は運用会社と受託会社と共同運営を行っており、運用や管理に関しては運用会社がファンドマネーシャーとなり、運用を行っていくことになります。
運用会社の運用方針を受けた、受託会社が実際の投資や管理を担います。
投資家から集められた資金に関しては、信託銀行に預けられ安全に運用される仕組みになっています。
こうしたファンドの最大の特徴は、沢山の投資家から多くの資金を集め運用を行うので、個人では難しい大きな規模の投資が可能になることです。
分散投資も行うので、リスクが軽減されますし、プロの運用による安心感があります。
ファンドの購入は証券会社が一般的ですが、銀行や保険会社、郵便局など多くの金融機関で購入することができます。

 

投資信託と投資ファンドの違い

投資信託と投資ファンドは、一般的に同じものというイメージがありますが、厳密には違いがあります。
投資信託は行政の監督下で、投資信託委任業者により管理、運営されています。
それに対し投資ファンドは、投資家から集めた資金を投資顧問会社などのプロの投資家運用するものになります。
現在の投資信託はかなり多様化しており、必ずしも行政の監督下にあるわけではなく、中には証券取引法などの規制を受けないものも存在するようです。

 

ヘッジファンド(私募投資ファンド)とは?

私募投資ファンドとは、基本的に50人以下の少数の投資家を対象にしています。
プロ私募といわれる定めにのっとった、適格機関の投資家に対して行います。
私募投資ファンドの特徴は、少数の投資家相手の募集なので投資家が限定され、思い通りのファンド設計が可能です。
公募の投資ファンドに比べ私募ファンドは解約頻度が低く、長期的な安定した運用が期待できるのも特徴です。
私募ファンドは少人数に限定されているため、一般に購入することがかなり難しく、1口の購入もかなり高価で安いものでも、300万円以上高いものになると1000万以上になります。
私募投資ファンドは、富裕層向けのファンドと言えます。
ヘッジファンドの「ヘッジ」には避けるという意味があり、投資においてはリスクを出来るだけ軽減するということを指しています。
ヘッジファンドは、様々な取引手法を駆使し、リスクを出来るだけ避けて利益を追求するファンドです。

 

ヘッジファンドの特徴

①投資対象の限定性
私募ファンドであり、誰もが投資できる訳ではありません。
私募投信により機関投資家や一部の富裕層のみに募集されます。

②投資額が高額
ヘッジファンドの投資額は高額です。
最低投資額が約1億円などの場合もあり、普通の投資家では手が出せず、ハードルはかなり高いです。

③運用担当が高額の出資を行う
ヘッジファンドの運用担当は、機関投資家や富裕層の信頼を得るために、自身が高額の投資を行うのが一般的なようです。

④運用手法の多様性
普通の投資信託では、運用方法が限定されていたり投資先が限定されてしまいますが、ヘッジファンドの運用はほとんど限定がありません。
あらゆる投資手法を用い利益を追求していきます。

⑤資産運用の安定性が高い
ヘッジファンドに投資を行った場合、基本的に1年目は出資金の返還は出来ない事になっていますし、1年目以降であっても限られた時点でしか返還を行っていないため、運用資金が安定します。
資金の安定が運用の安定につながっているのです。

⑥ヘッジファンドの成功報酬
ヘッジファンドに出資を行うには、固定手数料が2%、成功報酬が利益の20%と事前に決めるのが慣習のようです。

⑦レバレッジ
ヘッジファンドは利益率を高めるため、数十倍のレバレッジなどで取引を行います。
利益も大きいですが、損失もその分大きくなります。

 

ヘッジファンドの問題点

ヘッジファンドは、普通の投資信託のように監督官庁に届け出る義務がありません。
そのため運用実態が掴みづらいという問題点があります。
そして、ヘッジファンドに出資しした投資家は、限られた時点でしか出資金の返還を求める事が出来ません。
そして、数十倍のレバレッジなどで取引を行うので、金融市場などで不測の事態が起こった場合などは、出資者から多額の返還を求められることになった場合、ヘッジファンドは多くの金融資産を売却しなければならなくなり金融市場は大混乱になってしまう可能性があるのです。
ヘッジファンドの取引規模が大きいので、万が一の時金融市場に与える影響というのは無視できません。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。