2018/04/04 最終更新日:2019/11/13

資産形成の必要性と日本が抱える問題

日本の社会問題と不動産業界

日本は現在人口減少とそれに伴う少子高齢化問題に直面しています。
2011年から日本の人口は20万人規模で減少を続けており、2020年には約60万人、2045年には100万人規模で人口が減少すると言われています。
こうした人口減少は亡くなってしまう人に対して、新たに生まれてくる命の数のバランスが取れていないために起こります。


このバランスが悪いと相続の際に問題が起こります。
一般家庭の資産というのは、現金や預金、証券類、保険類、不動産が大半を占めるのですが、この中でも特に不動産の相続で問題が起こりやすいです。
人口減少に伴い、現在世帯の数に比べて物件の数の方が多くなってしまっています。
いわば家が余っている状態にあるのです。
そんな状態なのにも関わらず、特に都心部などでは、2020年の東京オリンピックに向けて大規模な都市開発が進められており、新築の物件も数多く建設されています。
2020年まではそれでも良いのかもしれませんが、現在よりも人口が減っているであろう東京オリンピック後の、不動産業界がどうなってしまうのか心配です。
不動産というのは基本的に建設されたとき、新築の状態がピークで年月と共にその資産価値は減っていってしまいます。
地方だとリノベーションを行ない資産価値を回復させ、魅力的な物件に蘇らせたとしても、家あまり状態にある日本では借り手なども見つかりづらく、その結果空き家は2次使用なども無く、そのままの状態で放っておかれてしまう事が多いようです。

 

日本と世界の保有資産の割合

所有する資産を次世代へその資産価値をあまり減少させないような形で引き継ぐためには、いったいどのような形が良いのでしょうか。
先ほども申しましたが、不動産という形で次世代に引き継ぐのはあまり好ましくありません。
基本的にものの価値というのは、希少性が高ければ高いほど価値を生みます。
しかしこれからの不動産はそういった状態になく、ただでさえ現状でも家あまりの状態にあるのですから、これからさらに人口減少が続いていった先の不動産の価値というのは現在と同じとは言えないでしょう。
家があまりに余っている状態になってしまったとしたら、その価値は現在の私たちが想像するよりも低いものになっているかもしれません。
現在日本人の多くが不動産以外の資産を、現金または預金で保有しています。
割合的には現金預金が約50%、保険などが約26%、株式などが約15%ほどの割合になっており、いかに日本人は多くの資産を現金または預金で保有しているのが分かります。
アメリカなどの場合は、現金や預金が約13%ほど日本の4分の一程度で、株式や投資信託が約50%、保険などが約30%となっています。
日本とは違い、いかに投資に資産が回っているのかが分かります。アメリカほどではないですが、欧州においても、現金や預金の割合が約35%、株式や投資信託が約25%、保険などが約32%となっています。
日本もアメリカほどの資産割合にならなくても良いとは思いますが、資産配分のバランスをもう少し考えなくてはいけないかもしれません。

 

現金と預金のリスク

現金と預金で多くの資産を持つのはなぜ危険なのでしょう。
その一つに日本円が相対的な価値で決まるという特徴があります。
物価の上昇が起こると(インフレ)円の価値が減少します。
それまで購入できたものが、購入できなくなるのです。
外貨との関係もあり、外貨に対して円の価値が下がれば、その分円で購入できる外貨の量が減ります。
このように日本円は絶対的な価値では無く、相対的な価値で決まるため外的要因によって資産が目減りしてしまう可能性があるのです。
投資においてハイリスクな投資として集中投資がありますが、日本円で多くの資産を保有するという事はこの集中投資を行っていると同じことが言えます。
こうなってしまわない様に、資産は分散して保有するのが理想的です。

 

どの様な資産形成が理想的なのか?

一番初めにも述べましたが、日本は少子高齢化で人口減少が続いています。
この問題を解決する道筋が見えているのであれば特に問題が無いのかもしれませんが、日本政府は全く解決の糸口すら見いだせておらず、解決がいつになるのか見通せない状況にあります。
不動産業界も心配なのですが、私たちの将来の社会保障にも不安が広がっています。
特に年金などは、現役世代が高齢者を支える仕組みである以上、人口減少は致命的な問題です。
年金制度自体が即時無くなってしまうという事は考えにくいですが、将来的に受け取ることが出来る金額は減る可能性が高いです。
そういった自分たちの将来の生活のためにも、資産を分散し減らすことなく保有することはとても大切な事なのです。
投資はリスクがつきものではありますが、現金預金にもリスクはあります。
こういったリスクを考慮しバランスの取れた資産形成が求められている時代なのです。

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