老後に貯蓄がなくなるとか、年金は受給されなくなる等、老後の不安をあおる報道は、日本の景気が上向きでも、下向きでも頻繁に取り上げられています。しかし、本当に生活ができなくなるほどお金が無くなってしまうのでしょうか。老後に必要な金額と資産を運用して今あるお金を増やせないものなのか検証していきましょう。
■年金はどのくらいもらえる
年金制度の仕組みは複雑で、国民年金、厚生年金、確定拠出型の年金や、さらには、厚生年金基金などがあります。一番最悪な場合を想定した場合、20歳から60歳まで真面目に国民年金を収めた場合でも65歳からもらえる年金額は、月平均5万4千円位と算出されています。
■老後の生活に必要な金額は
生命保険会社による最近の寿命のデータによると男性の寿命は約80歳、女性の寿命は約87歳という統計が出ています。
年金支給が始まる65歳から85歳まで20年間生きると仮定した場合、もしも年金だけしか収入がない夫婦の場合ひと月10万円前後で暮らしていくには、苦しく厳しい現状だと思われ、年金だけでは聊か不安を感じます。老後の最低の生活費は、月額20万円前後という統計もありますので、ざっくり見積もって10万円足りないということになります。
■投資信託で老後のために足りない金額をカバーする。
老後のことを考え30歳代から投資し始め65歳位までの30年間と設定して考えてみることにしましょう。今回は、最悪のパターンを想定して元本0円から始めることにします。
●元本0円
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●毎月積み立て金額 約4万6千円
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●年利5% 優良な投資信託で長期間運用の場合のリターン
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●投資期間30年
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●最終資産約3,600万円
■定年後に働かなくてもよくなりそうですか?
実際に計算してみた場合は、暮らしていける金額になりました。おぼろげに抱いていた老後の不安が多少解消されたと思いませんでしょうか。さらにご夫婦2人の年金20年間分約2,400万円も収入として加算されますので、余裕を持って生活できるのではないでしょうか。
もしも年金の半分で生活できた場合は、1,200万円が貯蓄や投資に回せます。早めの準備で、リスクを抑え長期間投資することで、資産運用の効果を得る。不必要な保険に加入したり生活費を極限まで切り詰めたりしなくても、今後の老後人生を明るく安心して、生活するための資金としては、充分確保でき定年後働けなくなっても不安がなくなる金額となったのではないでしょうか。
安心して暮らせる老後を手に入れるために、ハイリスクなファンド型の投資信託や先物取引、生命保険などを選んで後悔するよりもコツコツと投資を重ねて焦ることなく着実に積み立てていく道もひとつの手です。