2019/03/12 最終更新日:2019/03/10

サラリーマンが不動産投資で会社設立に臨むには

サラリーマンが不動産投資で利益を順調に伸ばしていくと、副業としての領域を超えてしまって、税金の額も負担が大きくなってきます。利益の為の副業が、大きくなり過ぎたことは嬉しい誤算です。サラリーマンが不動産投資で会社設立に臨むタイミングについて紹介しましょう。

■サラリーマンが会社設立のタイミングとは

サラリーマンが会社設立する上で、大きな指針となるのは「所得税」と「法人税」の比較によるものです。サラリーマンは副業としての収入で、青色申告を申請したりと、税金面での利点を受ける事はできるのですが、事業規模が拡大してくると、サラリーマンであることが税金面でデメリットになる場合も存在します。

副業としての事業のはずが、大きな利益を生むことで、課税の対象額が増大してくるのです。ありがたいことには違いないのですが、経営の面から考えた場合には、税金の負担を減らす方法として法人化することで会社設立をして、経営面でのメリットを活かすことにより節税の効果を生むことができるのです。

法人化しないままでも事業規模の青色申告により、特別控除の65万円を利用することはできますが、継続的な利益の拡大を望む場合には、所得税を納めるよりも、法人税を納める方がメリットは大きいのです。では、何を基準に法人化するタイミングを計ればよいのでしょうか。

◎法人事業と個人事業の比較
法人税の税率は、普通法人は「23.9%」となっており、中小法人は800万円以下の所得に対して「15%」の税率で800万円超えの所得に対して「23.9%」となっています。

対する個人事業などサラリーマンの副業なども含めて所得が900万円以下ならば「23%」の税率ですが、所得が900万円を超えた場合に「33%」の税率となり、1800万円超えた場合には「40%」となります。

4000万円以上で「45%」になります。見た目では900万円の所得が目安になりますが、その他の節税効果も含めることによって、600万円の所得に対しても有効な節税の分かれ目となっています。

■サラリーマンが法人化するメリットとは

サラリーマンが副業としての、不動産投資の利益は家賃収入がメインとなります。家賃収入は売上から管理における経費などを差し引いたものが事業としての利益となり、課税の対象となっています。一歩、法人化した場合には、役員の報酬や従業員の給与や賞与などが、経費として計上できるので、給与所得の控除などにより、個人事業と法人事業の場合では、節税効果が大きく違ってきます。

◎不動産の売却にもメリットがある
個人で不動産の売却を行う場合には、5年を基準とする所有期間による短期譲渡の場合には税率が「39.63%」で、長期所有による売却では「20.315%」となっています。

法人による不動産の売却では、平成30年度には「33.59%」となっており、短期における売却では、有利な税率になっています。不動産を専門に扱う会社となれば、売却の時期を有利に運べる可能性があるでしょう。

◎法人の場合の退職金は経費になる
法人のばあいには、家族や親族であっても退職金を出すことができるので、退職金は経費として計上できるのは、大きな節税となります。保険料も法人の場合には経費にできるので加入するメリットが2倍の効果です。

◎赤字による繰越期間が長い
個人事業の青色申告でも損益の繰り越しは可能ですが、法人の場合には、9年間も繰り越しが可能なので個人の3年に比べても大きな開きがあります。

◎相続税の効果が絶大
個人事業では、相続税は一般の相続として処理されますが、法人の場合の所有物は、相続税の対象ではないのです。

■法人化のデメリットも検討しよう

法人化することで事業としての信用度は増すことになり、不動産投資を続ける上でも、資金の調達が金融機化に対して有利に働きます。ただし、デメリットもあるのです。

◎法人化のデメリットは何
法人化でのマイナス面では、個人による赤字による所得は税金の対象にはならないのですが、法人の場合には、赤字であっても、法人住民税の均等割りを支払わなければなりません。法人化すると社会保険や雇用保険は強制可能となっているので、事業規模が小さい場合には、かえって負担となる対象になってきます。

◎法人化のメリット
サラリーマンの副業として続けたいのであれば、配偶者を経営者として法人化する事も検討した方が良いでしょう。サラリーマンとしての収入も、配偶者の法人化した収入も2重に受ける事でリスクを減らす対策にもなるのです。

サラリーマンが不動産投資で会社設立に臨むには、収入面での指針となる基準に達した場合の方法として実行するのも不動産投資を事業拡大の手助けとなるでしょう。是非とも、検討の余地はあるはずです。

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