不動産投資をする際、恐らく最も重視される値は『利回り』ではないでしょうか。
今回はこの利回りについて見ていく事にしましょう。
■不動産投資は、配当利回り(インカムゲイン)が期待できる!
不動産投資が、金などの現物への投資やFX(外国為替証拠金取引)などへの投資と異なる特徴として、配当利回り(インカムゲイン)を目的にして行う人が多いという事が挙げられます。
株にも配当利回り(インカムゲイン)はありますが、株の場合は、購入時と売却時の売買差益(キャピタルゲイン)を目的にして行うという違いがあります。
かつて、バブル景気と呼ばれた時代には、土地・建物と言った不動産に買差益(キャピタルゲイン)目的に投資する人もたくさんいましたが、現在の日本では、不動産、特に建物が購入価格より高い価格で売却できることは少なくなっています。
土地・建物といった不動産を購入して、それらを貸し出すと、借り主から毎月決められた額の賃料を得ることが出来ます。これが不動産の投資の配当利回り(インカムゲイン)です。
■利回りには大きく分けて二種類ある
大きく分けて、不動産投資の『利回り』には、『表面利回り(グロス利回りとも言う)』と『実質利回り(ネット利回りとも言う)』の2種類があります。
不動産情報サイトや不動産情報誌でよく目にするのは『表面利回り』の方が多いようです。
表面利回りは、年間の家賃収入÷物件の購入価格で簡単に求めることが出来ます。
しかし、物件が満室であることを想定している上、購入にかかる諸費用や維持費は計算に含まれていない為、大きな収入を期待して購入するとがっかりする人も多いのではないかと思われます。
一方、『実質利回り』は、( 年間収入-年間支出 )÷購入価格で求められる値で、毎年の税金や、各種管理費、保険料などを計算に含んでいますので、より実際の収入に近いものとなっています。従って、不動産を購入する際には、実質利回りを計算して、じっくり吟味することをお勧めします。
■東京23区と全国の平均利回り(区分マンション)
東京23区の平均利回りは、およそ5.8パーセント代で推移しています。そのなかでも葛飾区、板橋区などは7パーセントを超える高い利回りとなっています。
全国主要都市の平均利回りはさらに高い数字となっています。
横浜市、川崎市が同じく7パーセント台、さいたま市が9パーセント台、千葉市が11パーセント台、そして、札幌市、仙台市などは12パーセント台、新潟市に至っては17パーセントを超えています。
但し、注意点したい点として、築年数の古い物件は金融機関の担保としての評価が下がる為、「不動産投資ローン」の審査が通らなかったり、審査は通ったが返済期間が短くなるということが予想されます。バランスを考えると、概ね築年数5年から15年程度のいい物件を選んで投資するのが無難かもしれません。
■まとめ
全国的に見て、利回りは築古物件程高くなる傾向があります。しかし当然のことながら古すぎる物件には借り手が付きにくいことが良そうされます。高利回りにだけ目を奪われず、実質利回り、築年数、周辺環境などを総合的に見て判断しましょう。
不動産投資に限らず、すべての投資には、冷静な判断と長期的な視野が求められます。市場の動きに一喜一憂して熱くなりすぎず、自分を律して、適切な判断を下しましょう。