11月13日、朝日新聞から不動産賃貸の手数料枕頭1ヵ月分は払い過ぎであるとして東急リバル部に返還命令があったという報道がされました。
朝日新聞デジタル:1カ月分は取りすぎ 賃貸の仲介手数料、業者に返還命令
これによると、賃料1ヵ月分のというのは賃貸仲介の原則に反しており、
借主に支払い義務は無いとのこと。
この報道について、詳しく解説していきます。
賃貸仲介の手数料は原則”0.5ヶ月”
賃貸仲介の手数料は原則
貸主⇒賃料0.5ヶ月分
借主⇒賃料0.5ヶ月分
合わせて1か月分、という原則があります。
これについては「宅地建物取引業法」に明確に示されています。
宅地建物取引業法での仲介料の扱い
宅地建物取引業法では、不動産業者が受け取れる仲介料は「賃料の1ヶ月分以内」と定められています。
貸主と借主それぞれから受け取る仲介手数料は賃料の半月分以内とする
このように、法律で『合わせて1ヵ月分』としっかり明記されているんですね。
しかし、争点となったのは下記の部分。
ただし、”依頼者の承諾”があればどちらか一方から賃料の1ヶ月分以内を受け取ることができる。
この”依頼者の承諾”というのがあったのか否か、という部分で裁判にまで発展したようです。
不動産業者は仲介料を最大限取ろうとしている
今回の判決は不動産業者はもちろん、借主・貸主双方にとって重要です。
不動産業者は営利団体ですので、収益を上げるために法律で定められた仲介手数料のMaxである”1か月分”をベースに紹介することが多いです。そのため「原則0.5ヶ月」という情報が一般には出回っていませんでした。
しかし、裁判所が「借主は承諾していない」「取りすぎた手数料は返還」と命令したわけですから、借主側にとって要求すべきことであると認知され、今後仲介料をめぐる交渉は増えてくると思われます。
「借主」は出来るだけ安く住みたい、「貸主」は出来るだけ安く入居者を探したい。
このような関係性の中で、不動産業界がどのような手を打つのか、注目していきましょう。